ニッチな方へニッチな方へ
ここ3,4年くらい、カメラが新しく発表されるたびにがっかりしております。
理由は、進化の方向があまりにもニッチな方向に行っているから。
どこのメーカーの新製品の宣伝文句も、もう決まり文句のように、
「AFの演算速度が上がりました」
「連写速度が上がりました」
「移動する被写体を見つけてトラッキングできます」
「手振れ性能が※段まで上がってます」
ばっかり。
多分、スマホのカメラの性能向上で普通のシーンの撮影はスマホで十分だって判断されて、スマホで撮れないシーンって何だろうって所で活路を見出そうとしてらっしゃるんでしょう。
で、超望遠でしか撮れないような遠くで速く動く被写体にターゲットが設定されたんだろうなと想像できるわけです。
ただ、世の中でその性能でテンション上がって新しいカメラを使ってみたくなる人間、何人いるのかなって感じ。
たしかに、飛行機撮るとか、鳥を撮るとか楽しいですよ。


でも、それはカメラの楽しみ方のあまりにも極端な例すぎる。
さらに心配なのは、その領域は必ずしもずっと棲み分けがされるという保証はないということ。
そもそも、スマホからしたらカメラと撮影できるシーンの領域を棲み分けているなんて考えは持ってないだろうから、近いうちに鳥や飛行機も撮れるようになっちゃうかもしれません。そしたらカメラ業界終わっちゃいます。
そうならないためにも、もっとカメラの本質にしっかり向き合ってもらいたい。
カメラの本質は、感動させる画を出すこと
やっぱり、カメラというものは、美しい画を出してこそじゃないでしょうか。今のスマホは人を感動させられるような美しい写真になっていますか?
それに対して、自信を持ってNOと言えない、言い換えるとカメラメーカー側が自分たちの写真の方が感動させられると言い切れないのが問題なんだと思います。
ここでのより良い写真ってのは基本的な性能、ノイズとか解像感とかの事じゃないです、そういうのを比較して勝った負けた言ってる時代ではもうないので。
ここでの良い写真というのは、写真から醸し出される雰囲気が人の心を揺さぶるかという美に関する話です。カメラメーカーはどこもそこをおざなりにしてきたツケが回ってきてるんじゃないでしょうか。
富士フイルムが売れ行き好調になっているらしいですね。富士フイルムはとにかく人が感動する美しい写真とは何かをフィルムの時代から突き詰めてきました。デジタルカメラになって各社が画像を設計しないといけなくなりましたけど、富士フイルムだけはその前から自分たちだけは研究を積み重ねてきています。
フィルムシミュレーションで生み出される写真は他の会社の写真とは違ってとても特徴的です、特徴を出せるということはノウハウがあるということなんでしょうね。
今、富士フイルムのカメラが人気なのが、世間がカメラに求めている事が何であるかの証拠なんじゃないかなと思います。
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