富士フイルムはモノクロームにもこだわり
さて、あえてモノクロームについては前回の記事では書かなかったんですが、モノクロームにも独特のこだわりがあるのが富士フイルムのフィルムシミュレーションのすごい所です。
ここでは、そのモノクロームへのこだわりについてまとめます。
新フィルムシミュレーションACROS
X-Pro2から追加された新しいフィルムシミュレーションがACROSです。ACROSとはモノクロームフィルムの名前で、それを再現したものになります。元々、白黒モードはB&Wとしてありましたし、今でも残っています。
色の情報をそぎ落とした中で、従来の白黒モードとは違う特徴を出すっていうのは、なかなか難しいだろうなぁとは素人の自分でも思うんですけれど、それを見事にやってのけているところにしびれます。
同じRAF画像をカメラでACROSとB&Wで現像したものを、並べてみました。ACROSの方が暗い部分が深く沈んでいて渋いです。
ACROS
B&W
ACROS、B&Wにもそれぞれさらに4種類
ACROS、B&Wにはさらにそれぞれ4種類あります。通常モードに、Yellow、Red、Greenフィルタ。富士フイルムのサイトの情報によると、フィルタの役目は以下の通り。
選んだフィルターの補色の色が濃くなります。Yeフィルター は青から紫系が濃くなり、Rフィルター は青から緑系が深くなります。Gフィルター は赤系、肌色系が深くなるので人物撮影などに適しています。
補色って何?という方に簡単に説明しますと、下のように色というのは関係性を元にぐるっと時計のように並べる事が出来まして、並べた時に真逆の方向にある色を反対色とか補色っていうんです。黄色の場合は青、赤の場合は水色、緑の場合は赤紫色ですね。
普通の白黒画像の場合、明るい所が白く、暗い所が黒くなりますが、カラーフィルタの場合はそのフィルタの色が白く、補色が黒くなるという事です。
より詳しく知りたい!という方は、こちらの本などが参考になりますので、ぜひどうぞ。カラーコーディネートの勉強は写真の勉強になりますよ。
Redフィルタの場合、空が水色なので少し暗く、Greenフィルタの場合、桜の花びらが赤いので暗くなっています。
ACROS
ACROS Yellow
ACROS Red
ACROS Green
B&W
B&W Yellow
B&W Red
B&W Green
ACROSに対する熱い思い入れ、こだわりは、富士フイルムの公式サイトにも載っているんでぜひ読んでみてください。
エンジニアというより芸術品にこだわる職人のような語りが最高にカッコいいです。カメラってデジタルになってもやっぱり芸術品として扱うんだなという富士フイルムのスタンスも感じられて、ますます好きになりますね。それが手元にあることがうれしくてどんどん使いたくなります。
以上、フィルムシミュレーションについてまとめました。これからも新しいフィルムシミュレーションが追加されていく事を期待して。
追記。新しく追加になった、ETERNA、クラシックネガについてはこちらから。
富士フイルムのカメラの画質設定、カラーや、トーンについてもこちらにまとめてますので、ぜひどうぞ。
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