カラークロームエフェクト、それはfortiaへのアプローチ
X-T30に載るであろう新機能の中で僕が一番気になっているのが、カラークロームエフェクト。
カラークロームエフェクトは、初めにGFX 50Sで搭載された機能で、富士フイルムの公式サイトに開発に関するストーリがまとめられています。
実は、この”Color Chrome Effect”開発には、あるリバーサルフィルムがヒントとなっている。その名を”fortia”という。2004年に”Velviaを超える超高彩度・超鮮烈色”というフレーズとともにデビュー。
残念ながら”Velvia”をどれだけいじっても”fortia”にはならない。そもそもの色再現の思想が違うということもあるが、それ以前にリバーサルフィルムの色の特徴の一つに”高彩度域でも階調が残っている”ということがあげられる。だから、”fortia”は”Velvia”以上に彩度が高くても、色が飽和せずに立体感のある描写が実現しているのだ。
そもそも赤/橙/黄/黄緑といった色を高彩度で表現する場合、高輝度になりやすい。”ハデで明るい”というわけだ。しかし、彩度もほぼ目一杯・明度もほぼ目一杯となると、そこに階調表現をする余裕はほとんどなくなる。その結果、平板な表現になってしまうわけだ。
だが、センサーに照射された信号・情報をつぶさに分解していくと、その中でも微かな濃淡を見出すことができる。そこを使って階調をとらえる。つまり彩度は維持したまま、輝度による強弱で階調をつくり立体感を表現するというのが、この”Color Chrome Effect”なのだ。
僕もX-T20の設定の中で、fortiaを表現できないかと思ったことがあります。Velviaからカラーとトーンを調整していくことで超極彩色のfortiaに近づけないかなと。
しかし、公式の回答はNoとのこと。ただし、富士フイルムの開発者もfortiaに近づけるアプローチは行っていて、その一つの答えがカラークロームエフェクトとの事。
これは試さずにはいられない。X-T3を借りて持ち出して、最初に試したのがこの機能です。それでは、ここからカラークロームエフェクトのサンプルをどんどん載せていきたいと思います。
カラークロームエフェクトによって被写体が浮かび上がる
まずは、宝石のように赤いスカイベリーというイチゴを。カラークロームを強にした瞬間に赤い宝石に輝きが取り戻されるのが分かります。これはVelviaでさらにカラーをプラスに振っているので、赤い被写体は色の抜けが起こりやすい設定です。それでも、カラークロームをONにすることで、しっかりと濃い赤が表現されていて、正直この一枚を撮っただけでカラークロームエフェクトの虜になってしまいました。
同じくこちらもスカイベリー。まだ青いイチゴも、濃い緑の葉も立体感がぐっと増します。これが、彩度を維持して輝度を調整している効果なんでしょうね、すごいです。
強じゃなくて弱だとこのくらいの効果です。OFF、弱、強の三段階から選べるので、表現したい色によって、選ぶのも楽しいですね。
今度は青空を。青空には何の効果もありませんね。青には影響を与えないって事がよく分かります。そして、白い建物も何も変化がありません。色のない物も、何も変化しないんでしょうね。色によって処理を変えてるって相当難しいことしてそう・・・。
次は菜の花で黄色を観てみます。黄色も濃淡がしっかりつきますね。強にすると暗すぎる印象になってしまうので、ちょっと露出をプラスに振って明るくして撮った方が良いのかもしれませんね。この辺りは慣れなのかなって思います。
最後は梅の花。OFFでは色が潰れて凹凸が無くなってしまっている梅の花の凹凸がしっかりとよみがえってきます。これはすごい。
結論、めちゃくちゃほしくなりました
この機能が載るとわかった地点で、X-T30は間違いなく買うと思いますね。と言うより、これが載らなかったらX-T30やめてX-T3買っちゃうかもしれません。そのくらい、僕にはバチッとハマった機能で、特に深紅のバラを撮る時なんかに最高だと思いましたね。
バラを撮るのに、何でカラークロームエフェクトが必要かはこちらを読んでもらえるとわかるかと思います。
X-T30にカラークロームエフェクトが載ることを祈りつつ、発表日を待つことにします!
他のX-T30の新機能も試しているので、こちらをどうぞ!
ついに正式に発表になって、カラークロームエフェクトはもちろん、他の気になる新機能も全部載ることが決まりました。前のモデルX-T20との機能比較をまとめているので、こちらもどうぞ。
もう購入もできます、X-T20を使い続けた自分がおすすめだと断言できるカメラですね。
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