X-T20を実際に買った、使ったから書けるレビュー
今までもミラーレスカメラは持っていたんですけど、それは使い道としては、旅行やイベントに持って行ってパシャパシャと撮るっていうものでした。撮るのは好きでしたけど、主目的にはなりえないであくまでも脇役。
そんな自分に「カメラを持って出かける、撮影するために出かける」という、僕の頭の中にはなかった新しい行動を起こさせてくれた。少し大げさに言い換えると新しい人生の楽しみを教えてくれたのが、このX-T20です。でも、毎日、カメラを持ち出して撮影することを考えて、楽しくなってしまってるから、あながち言い過ぎでもないのかな。
2017年の3月に購入してから約一年間、色んな所に出かけて、色んな物を撮って、しっかりと使い込んでみました。撮れば撮るほど、ファインダーをのぞけばのぞくほど、改めて素晴らしいカメラだなと思ったので、X-T20というカメラのどこがそんなにいいのかをレビューさせてもらいます。
外観
オシャレでかわいくてカッコいい
1つ目のポイントは見た目がオシャレでかわいいのにカッコいいこと。
僕が選んだのは、ブラックじゃなくてシルバーなんですが、上部がシルバーになっている事でクラシカルなイメージでありながら、大人臭さを出し過ぎないデザインになっています。このバランスが良い。そして、中央にファインダーがあるスタイルが個人的に好き。
コンパクトで軽い。本体の重量は約383g。サイズは、幅 118.4mm × 高さ 82.8mm × 奥行き 41.4mm。
これより大きいと、持ち運ぶのが億劫になって撮影に出かけるハードルが上がってしまう。出かけたとしても、持ち運ぶのが重くて疲れてしまうので、撮影を続けられる時間が少なくなってしまう。カメラが撮影を邪魔するとか本末転倒なんで絶対に嫌。
ただ、これより小さいとコンパクトすぎて逆にグリップしにくい。指にしっかりかかる感触、それなりにある重量感。良い物を買ったなと思えるぎっしり感。ちょうどいいんです。
カメラが軽いと、それを支える三脚も軽くて済みます。僕の三脚はたった36㎝にたためて、重さも810gです。小型のリュックにカメラとレンズと三脚と全部まとめて入っちゃいます。そのくらい、めっちゃ軽くてコンパクトに出かけられるんですよ。
あと、構えた時にカッコいいんですよ、このカメラ。これ、すごく重要で、街中でファインダをのぞいている姿がショーウィンドウ越しに見えたりするんです。その時に、ちょうど顔を隠すオシャレな大きさってあるんですよ。1キロを超えるようなサイズの一眼レフではガチすぎて街中では浮いちゃう。かと言ってコンパクトすぎると、カメラを構えてるオシャレな趣味持ってますよ感が無くなっちゃう。映った自分の姿を観てちょっと自分が好きになってふふっと楽しめるのもこのカメラの大きな利点です。
オシャレなストラップを付けて肩からぶら下げて歩いている時にも、オシャレだなぁと思える。むき出しで歩いていてもカメラオタク臭くならない。むしろアクセントとして、アクセサリー代わりにすらなる、このデザイン。街に溶け込み街中で構えても威圧感を与えない、スナップカメラとしてもピッタリだと思います。
ダイヤルとボタンがちょうどいい
2つ目は、ダイヤルやボタンが過不足なく、配置されていること。
上面は右から露出補正、シャッタースピード、ドライブモードが選択できるダイヤルが付いています。
露出補正はしょっちゅう変えるので、この位置にあるのは本当に便利。このカメラに出会って撮影方法を勉強するようになって、露出を変えないのはもったいないんだなって気づきました。
基本的に僕は絞り優先で撮るので、シャッタースピードはオートにしてるんですが、星空や滝、夜景で車のライトを流して撮りたい時なんかに、メニューの深い所まで行かなくても、このダイヤルでサクサクと調整できちゃうので役に立ちます。
背面には約104万ドット、3.0型の上下にチルトする液晶と、約236万ドットの有機ELのEVF(電子ビューファインダ)。また、右側に突起があることで、親指が引っ掛かって、しっかりと手になじんで握りやすい。液晶はタッチパネル機能がついているんですけど、これは個人的には不必要だったのでOFFにしています。
操作ボタンは上下左右ボタンによく使う機能を割り付けることができます。僕の場合は、ISO感度、AFポイント位置、ホワイトバランス、フイルムシミュレーションにしています。
一番重要なのが、Qボタン。あらかじめ自分のお気に入りの撮影条件を7パターンも登録しておけます。これが使いこなせるとグッと撮影の幅が広がってストレスなく撮影ができて楽しくなります。これはまた別の機会にしっかり説明したいなと思います。
僕は、基本的にはEVFを覗いて撮影してます。EVFをのぞいていると視界が撮影画像だけになって他は真っ暗になるんで、撮影に集中できるんですよね。お気に入りの被写体を自分で工夫して選んだ条件で写した画像をのぞいている時の満足感、大げさに言うと、自分だけのミニシアターです。星空をのぞいている時なんて、プラネタリウムより何倍も感動しましたからね。
じゃあ、液晶はいらないのかというとそんな事はなくて、EVFをのぞけないようなアングル、例えばすごく低い位置にカメラを下げて撮影する時に液晶をチルトさせて使ってます。特に、魚眼レンズと低い位置からのあおり構図は相性がいいので、チルト液晶は大事ですね。
外付けのフラッシュも付きますが、内蔵のフラッシュがついています。
内蔵フラッシュのおかげで、しんしんと降る雪を撮ることもできちゃう。
そして、内蔵のフラッシュが普段、使わないときはしっかりと隠れる事で、デザインの邪魔をしない所も良いんですよね。能ある鷹は爪を隠すじゃないですけど。
機能
とは言え、やっぱりカメラは中身、機能が伴わないとダメです。見た目が可愛いだけではさすがにのめり込みはしません。
その点、X-T20はコンパクトな外観なのに、中身はしっかりした性能なのが素晴らしいんです。
基本画質
X-T20は、X-T2、X-Pro2、X-H1と同じイメージセンサ(CMOS)、画像処理プロセッサを使っています。つまり、中身の一番要の心臓部はX-H1、X-T2やX-Pro2と全く同じ。
なので、当然撮影される写真も同じ、GFXを除けば、富士フイルムのカメラの中では最高性能の基本画質です。
フィルムシミュレーション
X-T20だけというわけではないんですけど、富士フイルムのカメラは色、階調がすばらしいです。すばらしいというのをもう少し説明すると、昔の写真フィルムで表現していたような色や階調を再現しようとしているんです。設定で色がビビッドで鮮やかになるとか、階調が柔らかくなるとか、そういう単純な変換ではなくて、一つ一つのフィルムのコンセプトを再現しようとしているんです。
これがフィルムシミュレーションです。その中でも僕はVelvia、Classic Chrome、ACROSを良く使っています。
Velviaは鮮やかな被写体を表現するときに。
Classic Chromeは文字通り、過去の世界からの歴史の長さを伝えたいときに。
ACROSは階調だけをしっかりと楽しみたいときに。
撮って出し派の僕としては、この機能のためにお金を出してると言っても過言じゃありません。
このフィルムシミュレーションに、トーンやカラー、ホワイトバランスや露出補正をアレンジして、最高の瞬間を切り取る。それが震えるほど興奮する瞬間です。
AF性能
富士フイルムはフォーカス性能が弱いというのはよく言われます。実際に以前、X-E2を使っていたことがあったんですけど、夜景を撮ろうと思っても全くピントが合わなくて困ったことがあります。それどころか、花を撮ってたりすると夕暮れくらいからもうピントが迷いだす。この日なんか、すごく苦労したのを覚えてますね。
でも、X-T20はそんな事が全くなく、同じ会社のカメラとは思えないくらい、暗いシーンでのAF性能が向上しています。夜景でのストレスも全然ありません。
さらに、ファームアップデートで動く被写体に対してのAFの性能が上がりました。
USB充電に対応
X-T20はマイクロUSBケーブルから直接充電できます。だから、僕はアンドロイドのスマホを使ってるんですけど、スマホの充電ケーブルと共用できるんですよ。スマホと両方充電できちゃうんで、これが超便利なんですよね。旅行に出かけるときにでも、わざわざカメラ専用の充電器を持っていく必要がない。富士フイルム製のバッテリー充電器、ちょっとかさばるんですよね・・・。
自信を持ってお勧め
そろそろ、買ってから一年経ちます。外に持ち出すごとに、ファインダをのぞくごとに、レリーズを切るごとに、撮った写真を観るごとに、どんどん愛着がわくカメラです。ぜひ、一緒にX-T20がある生活を。
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